やっぱり、ネット小説は面白くない。
なって、思う。
いや、前回も書いたがお前がそれを言うかという話ではある。
ただ、それにしても、まーネット小説って面白くないのだ。今回はちょっと具体例を提示するけれども、例えば、この電子書籍だ。
(この本の著者に当たる方、今から、そのうちの一人を大変に酷評します。絶対に見ないでください。お願いします)
もう最初の一編から読む気が失せたと言っていい。なにがダメって、この短編、どこからどう読んでも、趣味を水晶集めに変えただけの村上春樹(7割引き)としか言い様がないからだ。どう読んでも、この短編は村上春樹である。文体といい、構成といい、作品の雰囲気といい、おそらくほとんど村上春樹”しか”読んだことがないような人が書いてるのであろうことが想像に容易いのだ。しかも、不幸にも、内容が村上春樹の中でも「つまらないときの村上春樹」に当たる方の村上春樹をコピーしてしまっている。拷問か。
とかく、かようにして電子書籍界には「ちょっと特定の作家を読んだだけで小説を書いている人」が異様なほど多いのである。それも、その特定の作家というのも決まってハードボイルド系か、SF系の作家(あるいは、それに類する純文学系の作家)に限定されてしまうし、そして「いやいや、そこそこ有名だぞ、その名前」としか言い様がない作家なのである。たとえば、ピンチョンとか。
そうでなければ、恋愛漫画や恋愛小説しか読んでこなかったような人ばかりだ。
簡単に言ってしまえば「昔なら、文芸同人誌に掲載されていたようなつまんない小説」が、そのまま電子書籍化しているだけ。なのである。
電子書籍だ、自己出版だなんだといっても、やっていることはウン十年前の文芸界となにひとつ変わっていないのである。それを覆い隠している殻の、形や柄が変わっただけで、中身はおんなじ、まずいキミなのである。
もちろん、僕は自分がまずいキミであると断言できる。
で、だから、やっぱりネット小説はつまらないのだ。
じゃ!