個人的に名曲!「パンとピストル」
たまーに、僕は自分の好きなアーティストについて記事を書いていたりするのだが。
実のところ、僕はアーティストとして好きなことよりも、曲単位で好き嫌いが決まっていることが多かったりする。アーティストとして好きというのは、本当にごく一部だ。
つーことで、曲単位で紹介したいなぁって思って、そういう記事を書くのである。
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第五弾。
紹介するのは、これ。
THE NEUTRAL パンとピストル ‐ ニコニコ動画:GINZA
THE NEUTRALの「パンとピストル」である。おそらく、だいたいの人がTHE NUETRALのことをほとんど知らないと思われるが、このバンドは、かつてNHKでやっていた番組「熱唱オンエアバトル」に常連のようによく出ていたバンドだ。
そして、才能を買われて、かつて、なるたるのOPテーマに採用されたこともあるバンドでもある。おそらく、そのOPテーマに採用された日曜日の太陽ならば、聞いたことがある人も多いことだろう。「パンとピストル」はその日曜日の太陽と同じアルバムに入っている楽曲だ。
聞けば一発でわかると思うけれども、相当、特殊な曲だと思う。なにが特殊かというと、それはもちろん、歌詞が、である。メロディやコード進行は決して特殊ではないし、曲の構成も普通なのだが、この曲の歌詞は相当変である。まず、サビが「パンパン パンパンパン パンパン パンパンパン」とパンを繰り返すだけなのもアレなのだが、まあ、この程度の奇妙さであればよくあることだ。フジファブリックの「銀河」などもサビが「パッパッパッ パラッ パラッ」だったりするから。
ただ、この物語はAメロBメロの歌詞もかなり変なのである。まず、何を考えているのか、歌詞の内容が童話なのである。歌詞の内容が、童話、物語になっている曲はもちろん他にもあって、BUMP OF CHICKENの「K」などがあるが、パンとピストルはそういう他の童話的な曲とも歌詞の内容が違う。
なにせ、童話の中に登場するのは、「あの子」「ぼく」「ヤクザのおじさん」「ホームレスのおじさん」なのだから。しかも、主人公である僕は、ヤクザのおじさんから銃を渡されたりまでしている。前述したサビの「パン」も実は、食べ物のパンと、銃声のパンを引っ掛けたダブルミーニングになっている。
なにかの悪い冗談じゃないかと思う内容だろう。
この地味にダークな歌詞の内容と、対照的なほどに、異様に明るい曲調が相まって、エポックメイキングな印象がとても強い曲となっている。しかも、このエポックさでありながら、実は歌詞のあらすじ自体は、至ってシンプルな成長譚となっていることも、極めて面白い。
見た目、軽いのだが、実は軽くないというところが、非常にカッコイイ曲だ。
個人的には、これは名曲だと思う。