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東杜来のブログです。月に1,2回の更新。

個人的に名曲!「僕の翼」

 たまーに、僕は自分の好きなアーティストについて記事を書いていたりするのだが。

 

 実のところ、僕はアーティストとして好きなことよりも、曲単位で好き嫌いが決まっていることが多かったりする。アーティストとして好きというのは、本当にごく一部だ。

 つーことで、曲単位で紹介したいなぁって思って、そういう記事を書くのである。

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  で、早速、今回、個人的に「この曲は名曲だろう」と思っている曲を紹介するんだけど、その曲はこれ。

 

僕の翼

僕の翼

ハックルベリーフィン / 僕の翼 ‐ ニコニコ動画:GINZA

 

 ハックルベリーフィン「僕の翼」である。

 BUMP OF CHICKENsyrup16g等の、下北沢で活躍していたゼロ年代ロックバンドのうちの一つ。他のバンドと比べても、明らかに大きく楽曲の方向性が違っていたバンド、ハックルベリーフィンが送る、青春ソングだ。

 青春ソング、と呼ぶにふさわしく、この曲は歌詞や曲調を見ても、極めて明るく、当時のロックバンドから考えても相当、ポップな作風だ。僕の翼なんて題名の通り。Jポップ系の歌詞の定型句とまで言われている”翼関連の表現”が、入っているあたりにもそれが伺える。しかし、それと同時に、この「僕の翼」は一般的な青春ソングの類とは、ちょっと違う曲である印象も得るはずだ。

 この曲、不思議なことに、AメロBメロサビに至るまで、実はギターもベースもドラムも延々と同じフレーズを弾き続けているのだ。サビで分かりやすくコードを変えたりしない。代わりに、曲の終わりに行くに連れて、徐々に音の数を増やしていくという構成になっている。そのため、この曲は一聴するとどこがサビなのか分かりにくい

 だが、しかし、この構成こそが「僕の翼」を名曲たりえるものにもしている。

 僕の翼という曲は歌詞を聞けば分かる通り、「成長」というものをテーマにしている曲であることが分かる。徐々に音の数が増えていくという構成が、そのまま、テーマである「成長」を連想させるものになっているのだ。各楽器のフレーズが基本的に途切れることがないのも、道が続いていく場面を連想させやすいと思う。

 曲の構成が、歌詞のテーマと極めて一致しているのである。

 だからこそ、この曲は、聞いているとなんだか前向きな気持ちを想起させるところがある。僕は、その場しのぎで出てくるだけの”嫌なものから目をそらすためだけにあるポジティブさ"は嫌いだが、こういう"地道なものを感じさせるポジティブさ"はむしろ好きである。

 そのせいもあってか、この曲は個人的には名曲なのだ。