この本は面白かった。
と、言っておく。
「と言っておく」始まりとはなんだと思われるかもしれないが、ともかく、また見つけたのである、面白い本を。それも今回は、珍しく読み終わってからの紹介となるので、普段よりもちょこっと真面目だ。ちょこっとだけね。
すごいタイトルの本だと思う。かつて、好きな作家を紹介した記事で取り上げた。
平山夢明氏の、最新短篇集がこれである。
まあ、これがなんとも面白い。全四話しかない短篇集なのだけど、どの話も、平山夢明的な、糞と血糊だらけのシュールレアリスムが全開なのである。ハッキリ言って、あまりの描写の汚さに、ちょっと読んだ後、数分間は食事は出来なくなるだろう。しかし、話自体は、まあ、素晴らしいほどに面白い。
しかも、本作では、ちょっと筒井康隆的な魅力まで帯び始めており、磨きに磨かれたシュールさと、泥臭い錦糸町の光景が同居するという素晴らしいことになっている。
これで値段が千円切っているのだから、とんでもない安売りとしか言いようがない!
ぜひ、ご購入を!