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BLOG・BLOG

東杜来のブログです。月に1,2回の更新。

掌編:背中と背骨と眼と眼孔となにかとなにかとなにかとなにかとなにかとなにかとなにかと

小説

 背中を埋め込まれたと、君は後悔してゴミ箱を出て行く。

 眼孔には、背骨が入っていて、それが絶えず動き回っている。

 しまった。

 なんてことだ。

 もともと、君は背骨のある人だったが、数年前にそれは捨てていた。

 捨てた理由は、当然だが、背中なんてものがあるのは不自然だったからだ。

 誰も背中なんて持っていない。その中で、背中と背骨を持つことは、とても恐ろしい。

 例えば、背中に石をぶつけられたとしよう。

 石をぶつけたやつは逮捕されて、投獄されるだろう。

 しかし、背中に石をぶつけられただけだが、言うのだ。

 背中を持っている方も悪い。

 その論理は、皆、背中を持っていないために通用する。

 背中を取り除かなければ。

 焦った君は、眼孔に指を入れた。人差し指の第二関節までが、孔の中へと、沈んでいく。探る。指を曲げ、伸ばし、孔の中のあちこちに、指を伸ばした。指先が背骨にあたった。感触の気持ち悪さに指を離す。

 眼の調子がおかしくなっていた。

 眼孔に指なんか入れるからだ。

 それと、背中が入っているせいだろう。

 君は、眼をナイフで割ろうとした。うんざりしたせいだった。

 ナイフで割った君を見て「バカだな」と人々が嘲笑する姿が浮かんだ。割る必要なんて無いのに、わざわざ割るなんて、頭がどうかしているな。あいつは、そういうやつなんだ。

 割れない。

 落ち込んだ気分で、君は、眠る。

 もう考えるのはやめた。