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東杜来のブログです。月に1,2回の更新。

掌編:月下

 血を吸われていることに気が付いて、僕は目を開ける。彼女がいた。またかと溜息を付く。これで何度目になる。よく覚えていない。ともかくとして、月下、彼女は僕の首筋を噛んでいた。やがて、血を吸っていた彼女は、吸い込まれるように僕の血管の中へと、しゅるしゅると入っていく。不気味だった。しかし、いつものことだった。意識を失う。