2015-01-17 掌編:星の下 小説 嚥下したシロップが、喉に引っかかって今もちょっと苦しい。一緒に空を飛んだはずの彼女は、抵抗ないように平然としていて、不公平を味わう。シロップは透明だったと彼女は言う。僕はそうは思わなかったので、とりあえずブルーのようだったと答えた。限りなく――と言葉を続けそうになった僕を、「ありきたりね」と一笑に付した。ありきたり、まあ、そうだね、うん、うん、まあ、まあ、こういうこと書いてるからありきたりになるんだな、と、まあ、なにも言えない。 また、シロップを飲む。