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東杜来のブログです。月に1,2回の更新。

去年読んだ本

2015年の読書メーター

読んだ本の数:100冊
読んだページ数:23370ページ
ナイス数:234ナイス

なんだかんだ、100冊読んでいたようで、我ながら感心。


神秘列車 (エクス・リブリス)神秘列車 (エクス・リブリス)感想
この小説に対して「綺麗にまとまっている」だのと言っている人たちは、ちゃんと本文を読んだのかと疑うほどである。表題作の神秘列車からして、いい意味で無茶苦茶なのだ。郷土小説的な書き方でありながら「速度に比例して周りの景色が収縮している」ことが描写されていたりと「これはSF小説か。シュルレアリスムか」と思うような文章がサラッと入っていたりしてとても簡単には読み下せない中身となっている。ポスト郷土文学の名はまったく相応しい。郷土的であり感動させながらも、さり気なくポスト的な部分を混ぜる技術は驚嘆である。
読了日:12月31日 著者:甘耀明
+チック姉さん(プラスチック姉さん) 4 (ヤングガンガンコミックス)+チック姉さん(プラスチック姉さん) 4 (ヤングガンガンコミックス)
読了日:12月30日 著者:栗井茶
+チック姉さん(プラスチック姉さん)(3) (ヤングガンガンコミックス)+チック姉さん(プラスチック姉さん)(3) (ヤングガンガンコミックス)
読了日:12月30日 著者:栗井茶
アンダー、サンダー、テンダー (新しい韓国の文学)アンダー、サンダー、テンダー (新しい韓国の文学)感想
うーん。
読了日:12月26日 著者:チョンセラン
現代日本美人画全集〈第3巻〉北野恒富.中村大三郎 (1979年)現代日本美人画全集〈第3巻〉北野恒富.中村大三郎 (1979年)
読了日:12月10日 著者:
現代日本美人画全集〈第9巻〉名作選 (1979年)現代日本美人画全集〈第9巻〉名作選 (1979年)感想
岩田専太郎と、風間完、志村立美だけレベルが段違いという…。
読了日:12月10日 著者:
詩魂詩魂感想
石牟礼道子がだいぶアレな人だというのは、有名なことだが、その人と韓国の作家が対談!?大丈夫!?と心配になるが、そこは心配無用。なんと、向こうもそっち系の人で、完全に二人とも意気投合。それぞれ二人とも勝手にいろんな主張を喋りまくって、同意しあったり、微妙に話が通じてなかったりするけど、どのみち、どっちも言ってることは完全にアレでしかないという。アレすぎて普通の読者はついていけない。当然、僕もついていけない。「でも、まーそういう人だからしょうがないかー」と苦笑いするしかない一冊。
読了日:12月10日 著者:高銀,石牟礼道子
将棋の渡辺くん(1) (ワイドKC 週刊少年マガジン)将棋の渡辺くん(1) (ワイドKC 週刊少年マガジン)
読了日:12月9日 著者:伊奈めぐみ
新装版 サイボーグクロちゃん(1) (KCデラックス コミッククリエイト)新装版 サイボーグクロちゃん(1) (KCデラックス コミッククリエイト)
読了日:11月22日 著者:横内なおき
+チック姉さん(プラスチック姉さん)(2) (ヤングガンガンコミックス)+チック姉さん(プラスチック姉さん)(2) (ヤングガンガンコミックス)
読了日:11月21日 著者:栗井茶
KING OF BANDIT JING(7) (マガジンZKC)KING OF BANDIT JING(7) (マガジンZKC)
読了日:11月21日 著者:熊倉裕一
+チック姉さん(プラスチック姉さん)(1) (ヤングガンガンコミックス)+チック姉さん(プラスチック姉さん)(1) (ヤングガンガンコミックス)
読了日:11月21日 著者:栗井茶
わたしの名は「紅」わたしの名は「紅」感想
トルコ版「トラのトリオのトラウマトロジー」と言って差し支えないのではないかと思えるほどの緻密かつ、濃い内容と、一度では読み切れない難しさを持っている。ただ、こちらは基本的には群像ミステリーで、前半からすると驚くほどに後半がすっきりとしたエンターテイメントに変わっていく。ここの鮮やかさも読みどころ。かつ、ミステリー劇の中で、イスラム原理主義の影が、ある種、不気味に思えるほどのリアリティをもって蔓延っているのも特徴的だ。トルコならではの小説と言えるし、かつ、この時代に読む意義は大きいだろう。
読了日:11月16日 著者:オルハンパムク
不知火おとめ: 若き日の作品集1945-1947不知火おとめ: 若き日の作品集1945-1947感想
この文章能力!10代~20代前半に石牟礼道子が思うままに書いていた詩やら小説やらの文章が、たまたま残っていて、それをまとめた本とのことだが、いや、レベルが高すぎる。表題作でさえ、マジックリアリズム的な魅力に溢れていて、唖然としてしまう。これより下手な文章でえっらそうに飯食ってる作家なんていくらでもいる。それくらい上手いし、独特の魅力がある。その分、物語がちょっと弱い気もするが(表題作、途中が破かれてるのでそのせいもある)詩や日記にしても、強くなにかを呼び起こされる感覚を覚える。
読了日:11月10日 著者:石牟礼道子
山怪 山人が語る不思議な話山怪 山人が語る不思議な話感想
面白い。ただし、著者が狙ってない面白さが充満している本なのだが(笑)山の怪異をまとめているのだが、さすがに山にいる世代も”言っても、それまで怪異や妖怪を語っていた世代よりは若め”なせいか、彼らが見る怪異が、勝新太郎が演じる座頭市と戦ってたとか、白雪姫の小人にあったとか、全体的に、微妙に現代寄りにアップデートされてしまっているのだ。そのせいで、妙に「山の怪異」という言葉に似合わないちぐはぐな現象が起こっていたりして、そういうちぐはぐなところが、シュールで面白い。
読了日:11月10日 著者:田中康弘
中村佑介 みんなのイラスト教室中村佑介 みんなのイラスト教室感想
うーん。
読了日:11月8日 著者:中村佑介
電人ファウスト (てんとう虫コミックススペシャル)電人ファウスト (てんとう虫コミックススペシャル)
読了日:10月26日 著者:上山徹郎
いないも同然だった男いないも同然だった男感想
うーん。
読了日:10月17日 著者:パトリスルコント
ナイチンゲール伝 図説看護覚え書とともにナイチンゲール伝 図説看護覚え書とともに感想
思わずクスリとしてしまう「分かる人だけには分かる」ブラックユーモアを交えながら(特に、看護覚え書の「余計なおしゃべり」のくだりで、さり気なく「~~もどき」の人らしき医師をイラストに入れるのは、かなりエスプリが効いている)ナイチンゲールの相当、はた迷惑で精神的にキちゃってる人物像を描いていく。何気にナイチンゲールの後半生を「死ぬ死ぬ詐欺」とばっさり叩き切っているところも好感。そうして、神格性を排除することで、ナイチンゲールの「人間としての思想」が明確に浮かび上がってくるという。
読了日:10月15日 著者:茨木保
ニーア ザ・コンプリートガイド+設定資料集 GRIMOIRE NieR (電撃ゲームス)ニーア ザ・コンプリートガイド+設定資料集 GRIMOIRE NieR (電撃ゲームス)
読了日:10月11日 著者:
カード絵師の仕事 ドラゴンとメカのデザインからキャラクターデザインまでカード絵師の仕事 ドラゴンとメカのデザインからキャラクターデザインまで
読了日:10月9日 著者:タカヤマトシアキ
NOW-中村佑介画集NOW-中村佑介画集
読了日:10月7日 著者:中村佑介
デュエル・マスターズSAGA(2): てんとう虫コミックスデュエル・マスターズSAGA(2): てんとう虫コミックス
読了日:10月6日 著者:藤異秀明
デュエル・マスターズ SAGA 1 (てんとう虫コロコロコミックス)デュエル・マスターズ SAGA 1 (てんとう虫コロコロコミックス)
読了日:10月6日 著者:藤異秀明
アライバルアライバル感想
素晴らしい。生きることはすなわち、過去への旅立ち。しかし、過去はいい意味でも悪い意味でもその人自身を形成させているものだ。
読了日:10月4日 著者:ショーン・タン
蕗谷虹児 (らんぷの本)蕗谷虹児 (らんぷの本)
読了日:10月4日 著者:蕗谷虹児
グルブ消息不明 (はじめて出逢う世界のおはなし―スペイン編)グルブ消息不明 (はじめて出逢う世界のおはなし―スペイン編)感想
基本的には全てがムチャクチャな小説だ。読んでいる最中、やること成すこと全てに「なんじゃそりゃ」という言葉が口を突いて出てくる。しかし、話の筋はきちんと存在しているあたりが面白いところだ。つまり、体裁として一応小説のような形を取っているが中身はムチャクチャなのだ。そして、この手法は、一般的にこう呼ばれるのが多いのではないだろうか。「パロディ」と。言ってしまえば、この小説は「小説のパロディ小説」なのである。だからこそ、覚え書きにあるように、著者はこれを「小説」と呼ぶことに躊躇したのだろう。
読了日:9月25日 著者:エドゥアルドメンドサ
戦争と検閲――石川達三を読み直す (岩波新書)戦争と検閲――石川達三を読み直す (岩波新書)感想
著者の陳腐すぎるくだらない主張は置いておいて、それ以外の事実に関する記述には大変、興味深く、また教訓足るものや、当時をうかがい知るうえで重要な記述が多くあるなぁと。
読了日:9月19日 著者:河原理子
ソリア・モリア城 (世界むかし話15 北欧)ソリア・モリア城 (世界むかし話15 北欧)感想
カイ・ニールセンの挿絵は素晴らしい。話自体は、いかにもおとぎ話と言った貴種流離譚を中心とした内容ばかりなのだが、しかし、お姫様を救うだけで話が終わらない表題作、とてもダークなオチで終わる切りかぶレッパ、シンデレラ的な話と見せかけて、実は正反対の話という木の服カーリなど、ステレオタイプとは明らかに異なるおとぎ話もいくつか散見され、興味深い。
読了日:9月19日 著者:
子どもの王様 (ミステリーランド)子どもの王様 (ミステリーランド)感想
うーん。これ、第一章だけで終わらせたほうが良くないか…?
読了日:9月18日 著者:殊能将之
自由論自由論
読了日:9月16日 著者:アイザィア・バーリン
生きている兵隊 (中公文庫)生きている兵隊 (中公文庫)感想
この小説によって、ハッキリと気がついたのは、こういった戦場を描いた作品は、実は戦場の細かい描写よりも、「戦場において各兵士たちがどのように、目の前の悲惨な現実を逃れようとして、必死で自分の精神を守るための行動を行うか」そして、その結果によって「どのような狂いを生んでしまうのか」という、この二つの細かい考察の方が、圧倒的に強く人に戦場の凄惨さを実感させてくれるということだ。
読了日:9月6日 著者:石川達三
大阪とことん―句集大阪とことん―句集感想
<春眠にバキュームカーの無礼者>〈春一番ヌード・ポスター天へ拉し〉〈骸子に錠かける絵馬初詣〉笑える俳句――と言ってしまうと、川柳じゃないかと思うかもしれないけれども、この句集は確かに俳句。でも、とても笑える。しかし、どの句もとても良い画の浮かぶ味わい深いもので、笑えるだけではない、正岡子規言うところの「簡単な思想」が入ってもいる。その面白さ。
読了日:9月1日 著者:小寺勇
散りぎわの花散りぎわの花感想
うーん。小沢昭一の実力からすると筆が振るわれていない印象。散ることを意識しすぎたか。まあ、あとは「小沢昭一、別にこの後散らないんだよな」ってことを僕が知っていしまっているせいか。
読了日:8月30日 著者:小沢昭一
こどもの情景こどもの情景感想
いつも通りのミルン。純粋な子どもにしかない感性をテーマにしていて、それを追求しようとしたがために、結果、どの掌編も実は言っていることが同じという。どの掌編も、文章やオチ等、素晴らしいのだけど、なんだか一つの本として読んだときに「あれ…?」となってしまうのは、ルメールの12枚の絵から連想したにしては、どの話も同じ絵から作られているようにしか思えないからだろう。
読了日:8月26日 著者:A.A.ミルン
巨人の国へ (現代の創作児童文学)巨人の国へ (現代の創作児童文学)感想
なかなか面白かった。イラストは言わずもがな素晴らしい。
読了日:8月25日 著者:吉橋通夫
アダアダ感想
これは、ちょっと…。文体がいくらなんでも酷すぎる。例えば冒頭P.6の〈通りの一方は禁じられ、片方だけが許される事さえよくあった。とはいえ、禁止は貧乏人のためだけに存在していた。どれだけ厳しい禁止といえども、鼻薬が効かぬ話など聞いた事もなかった。ユダヤ人の名誉は禁止に挑む事にかかっていた。〉とか、まるで報告文だ。あるいは推論の授業の「条件1:」とかで出てくるあの文体と言ってもいい。翻訳の問題なのか、原文の問題なのか…。ともかく現状、この作品を評価するのは無理だ。
読了日:8月23日 著者:イレーヌネミロフスキー
浮き橋のそばのタンムー (ポプラせかいの文学)浮き橋のそばのタンムー (ポプラせかいの文学)感想
子供向けとしては、なかなか良い出来の小説。死と出会った少年が迎える通過儀礼的な物語、ということで、どことなくスタンド・バイ・ミーを連想できるところもある。
読了日:8月18日 著者:彭学軍,渡辺仙州
もうひと花 (文春文庫)もうひと花 (文春文庫)感想
文章の語りが本当に上手い。
読了日:8月12日 著者:小沢昭一
ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)感想
うーん。
読了日:8月12日 著者:トマス・H.クック
アマゾン・コムの野望 ─ジェフ・ベゾスの経営哲学アマゾン・コムの野望 ─ジェフ・ベゾスの経営哲学感想
駄本以外の何者でもない。まず、なによりも著者の自意識がひたすら邪魔だ。「特許について語ろう」とか言ってる部分では、特許の話ではなく「自分がいかに特許を理解するのに苦労したかの話」をしている始末。読み終わって、思わず「お前は、ロッキングオンのライターなのか…」と言いたくなってしまった。
読了日:7月28日 著者:脇英世
図南の翼 十二国記 (講談社文庫)図南の翼 十二国記 (講談社文庫)感想
面白かった。(――――様々な感想を見ていて、補足する必要を感じ、追記。まず、珠晶は幼さゆえに物事を理解したわけではない。むしろ、珠晶は幼さに反して利口であり「常に理屈を考える」子どもだった。対して、昇山する他の者はその対比として「理屈を考えずに答えだけ真似しようとする」人たちとして描かれる。珠晶が本質を見抜いて臨機応変に行動できたのは、幼いからではない。「理屈を考えられる、理屈を理解できる」人だったからだ。幼さ等の感想を並べている人は、作中で非難されている人たちと同じことをやってしまっている。)
読了日:7月27日 著者:小野不由美
クローヴィス物語 (白水Uブックス)クローヴィス物語 (白水Uブックス)感想
冷静に考えてみれば(いや、冷静に考えなくても)残酷すぎて、恐怖しか感じられないような話も、社会的な問題の話も、その他の話も、全て一様に皮肉げなジョークで終わらせてしまうところは、もはやある種の執念さえ感じる。また、野生的なものの存在に畏怖を抱いていたのか、実は人間が動物に殺される描写や、動物に生活をめちゃくちゃにされる描写が、そこそこあったりする。だが、それも最後はジョークで流してしまう。常に読後感が”(笑)”になってしまう、この不思議さ。恐怖と笑いは紙一重とはまさにこのこと。
読了日:7月24日 著者:サキ
ガルシン短篇集 (福武文庫)ガルシン短篇集 (福武文庫)感想
まあ、全体的に「もういかにもこの時代のロシアらしいな」と感じる部分は多い。ただ、ガルシンの場合は、他の作家よりも描写が執拗でなにかに取り憑かれているかのような感覚を覚えるところがあり、ここを指して鬼才と呼ばれたのかなと。ただ、今の時代になってしまうと、この狂気めいた部分も少し薄味に感じる。傑作とされている「赤い花」は辛うじて現在でも通じそうなものがあるものの……。
読了日:7月18日 著者:中村融,ガルシン,VsevolodMikhailovichGarshin
女が嘘をつくとき (新潮クレスト・ブックス)女が嘘をつくとき (新潮クレスト・ブックス)感想
女性の中にいる、驚くようなほどの稚拙な嘘をついてしまう女性についての話。一人の主人公の視点を介して、読者は様々な女性の嘘の、なんとも言えない悲しさやぞっとする面、温かい面、様々な側面を味わう。ソーネチカといい、個人的には、ウリツカヤにだいぶ好感触を覚えている。ただ、この小説、一番最初にこの本の概要をある意味「直接説明してしまっている」ために、ちょっと先が読めちゃう話が幾つかあるのが…。ここはなんとかならなかったのかと、全体が面白いだけに思ってしまう。
読了日:7月16日 著者:リュドミラウリツカヤ
サローヤン短篇集 (1958年) (新潮文庫)サローヤン短篇集 (1958年) (新潮文庫)感想
「アラム・サエーチェイクフォーグル」が特に個人的には好きかなと。
読了日:7月14日 著者:
マスタースイッチ  「正しい独裁者」を模索するアメリカマスタースイッチ 「正しい独裁者」を模索するアメリカ感想
経済学を学んだ人ならば「もうほぼ常識的なことじゃないか」と言いたくなるような結論に達してしまう本書だが、しかし、ネットワークやメディアの歴史をこれだけ徹底的に追って、シュンペーターの誤りや、イノベーションの過程、独占を規制することがどういった意味をもたらすのかということを裏付けたのは評価に値する。
読了日:7月8日 著者:ティム・ウー
振り飛車破りユニーク戦法 (スーパー将棋講座)振り飛車破りユニーク戦法 (スーパー将棋講座)
読了日:7月5日 著者:田丸昇
緩やかさ緩やかさ感想
物事をなるべく、単純に、紋切り型に解釈することに熱心になってしまうキッチュ化に対する憂いという訳者の読解は、そう間違ってはいないだろう。事実、途中の左翼の単語に関するくだりは確かにそれを示している。しかし、個人的に、この小説が何よりも面白いのは「セックスさえ、もはや紋切り型じゃないか!」と言いたいがために、アナルセックスのことを執拗に描いた結果、「肛門が、肛門が」となぜか肛門の話ばかりし始めるところである。真っ当な読み方もできるけど、相当珍品なものとしても読める小説。
読了日:6月27日 著者:ミランクンデラ
しみじみ読むイギリス・アイルランド文学 (現代文学短編作品集)しみじみ読むイギリス・アイルランド文学 (現代文学短編作品集)感想
うーん…。
読了日:6月24日 著者:ベリル・ベインブリッジ
心は高原に (ショート・ストーリーズ)心は高原に (ショート・ストーリーズ)感想
全員がのらりくらりとした、イマイチ捉えどころのない、詭弁だらけの会話をしている表題作が妙に面白い。「読むのに苦労しないだろう」という簡単な気持ちで読み始めたのだけど、一度読んでみると、こののらりくらり感に、だいぶ心を打たれてしまった。他のサローヤン短編も気になるところ。
読了日:6月20日 著者:ウィリアムサローヤン
マイケル・Kマイケル・K感想
困難だらけの人生だが、その中でも、なんとか安定的な生活が得られ――そうになったかと思うたびに、誰かがやってきて、その生活を破壊し、マイケルを連れ去って別の場所へ運んでしまう。だが、その別の場所でもなんとか安定しようとして…。この小説は、一見して自分たちと関係ない話に思えて、実はものすごく関係があるように思えるのは僕だけだろうか。ありとあらゆるキャンプから、外れた自由とはつまり、どこにも帰属しない自由ということだ。訳者のあとがきが、勝手な決めつけと妄想のパレードな上にためする読解なのだけが残念。
読了日:6月12日 著者:J.M.クッツェー
マザーランドの月 (SUPER!YA)マザーランドの月 (SUPER!YA)感想
どうでもいい。
読了日:6月11日 著者:サリー・ガードナー
時間泥棒 (創元SF文庫)時間泥棒 (創元SF文庫)感想
ダメダメ…。
読了日:6月10日 著者:ジェイムズ・P.ホーガン
マラルメ詩集―世界詩人選〈07〉 (小沢クラシックス 世界の詩)マラルメ詩集―世界詩人選〈07〉 (小沢クラシックス 世界の詩)感想
素晴らしい。
読了日:6月5日 著者:ステファーヌマラルメ
とどめの一撃 (岩波文庫)とどめの一撃 (岩波文庫)感想
普通の小説
読了日:6月3日 著者:ユルスナール
女がいる (エクス・リブリス)女がいる (エクス・リブリス)感想
うーん。いかにもポストモダンの悪いところが出ている、としか…。
読了日:5月23日 著者:エステルハージペーテル
あなたが救える命: 世界の貧困を終わらせるために今すぐできることあなたが救える命: 世界の貧困を終わらせるために今すぐできること感想
基本的に、功利主義者であるシンガーが、いかにも"らしい"観点から、寄付の重要性や、寄付するという行為が決して間違ってはいないことを丁寧に解説していく一冊。彼が上手いのは、読み手が彼の主張を読んでいるうち「え、その考えはどうなんだろう?」と思える部分が出てきても、その後に必ず「どうなんだろう?」と思った部分にまで行き届くような(まさに痒いところに手が届くような)掘り下げを用意しているところだ。一見、危うい主張に見えるこれがよく読み進めると、なかなか崩せない屈強な主張であることに気がつく、という。
読了日:5月17日 著者:ピーターシンガー
経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策感想
世界には「Lose not a hog for a halfpenny worth of tar.(半ペンス分のタールを惜しんで羊を死なすな)」なんて言葉があるが、よく言ったものだと思う。まさに、本書が言いたいのもそういうことなのだ。不況であるかどうかよりも、国がなにを政策として選択するかどうか「有事に半ペンス分を惜しむか/惜しまないか」が、重要な分かれ道。個人的には社会主義の国が、資本主義に変わっていく際の"取った選択肢による差"の話が、極めて興味深かった。
読了日:5月17日 著者:デヴィッドスタックラー,サンジェイバス
石の幻影―短編集石の幻影―短編集感想
全体的にアイロニカルな短篇集となっている。絶対に良い話や教訓じみた話にはせず、むしろ、”それっぽい話”であるかのように見せかけておいて、最後にそれを覆すような描写を持ってきて、読者に単純な教訓を与えず考えさせてしまうという天邪鬼さが、なんともカッコイイ。挙句の果てに、最後は「今まで僕が発表した話は、僕が書いた話じゃないです」なんて言い出してしまうのだから、天邪鬼極まれりである。…短編と言いつつも、表題作は完全に長編だったりするが。
読了日:5月14日 著者:ディーノブッツァーティ
絵のない絵本 (岩波文庫)絵のない絵本 (岩波文庫)感想
これがまさか、千一夜物語的な入れ子になっているとはまったく知らなかったので、読んでいて驚きを覚える。第二十一夜の、途中で話が途切れてしまう話が妙に自分の好み。
読了日:5月14日 著者:アンデルセン
殺意の迷宮 (1983年)殺意の迷宮 (1983年)感想
特に言うことはない。
読了日:5月9日 著者:グレゴリー・マクドナルド
兎の夏 (1972年)兎の夏 (1972年)感想
「比喩や描写がしつこすぎる」という欠点があったりするうえに、今の時代となっては、日本女性との恋物語は「日本に対して都合の良い幻想を抱きすぎ」なところがどうしても見えてしまって微妙だったりもするが、それでも、六人の作家が集められ、その作家たちの話を、ひたすら聞いていた主人公が、途中から、物語の中心へとぐんと躍り出てくる展開、素晴らしいものがある。そして、なんだかんだいっても(しつこいとは言え)やはり文体は上手い。
読了日:5月8日 著者:アドルフ・ムシュク
歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)感想
面白い。最後にメタ的に作者自身が出てきてしまう短編集って、普通はあんまり良いものには思えないことが多いのだけど、この作者の場合は、文体というか距離感の保ち方が上手いので、普通にアリと思える。基本的には、全編通して台湾の街を中心に起きるマジックリアリズムものなのだけど、ただ、中には、村上春樹的なものとか、もっとホラー寄りのものもあったりとか、意外と各短編、同じ場所の話でありながら明確に内容が色分けされているのも「おぉ、この人、実力あるな」と感じさせるところ。
読了日:5月7日 著者:呉明益
トビアと天使トビアと天使感想
可もなく不可もなく
読了日:4月30日 著者:スザンナタマーロスザンナタマーロ
国のない男国のない男感想
そこらへんの居酒屋にいる”ダメな左翼”のオヤジと言ってることに大して差がない。
読了日:4月28日 著者:カートヴォネガット
ダーシェンカダーシェンカ感想
うーん。
読了日:4月28日 著者:カレルチャペック,KarelCapek
夢宮殿 (創元ライブラリ)夢宮殿 (創元ライブラリ)感想
夢の解釈……といっても、フロイト等の心理学的な意味合いでの解釈ではなく、どちらかというと、夢占いに近い感覚での解釈である。日本に限らず、どの国でも夢というのは心理学以前は「お告げ」のようなものであったわけで、そういう幻想性を、システマチックな役所が管理しているという、奇妙さが一番の売り。
読了日:4月23日 著者:イスマイル・カダレ
ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)感想
この明らかに暗い物語で、しかも、オチも決して幸福ではない。だというのに、印象として、どことなくこの終わり方は優しいと思ってしまうのはどういうことなのか。無駄に「文学に希望が――」なんて浅いことを言わないところもかなり良い。これだけいろんな出来事がありながら(ときとして、ご都合としか言いようがない展開まであるのに)最後まで静謐なまま物語が展開されていく不思議さ。
読了日:4月19日 著者:リュドミラウリツカヤ
僕の緑の芝生僕の緑の芝生感想
うーん。
読了日:4月18日 著者:ギュンター・グラス
女吸血鬼カーミラ (フォア文庫)女吸血鬼カーミラ (フォア文庫)感想
ローラがカーミラに、カーミラがローラに惹かれ合っていく描写の濃さが、今読むとだいぶ面白い。
読了日:4月15日 著者:ジョゼフ・シェリダンレ・ファニュ
うちあけ話うちあけ話感想
<二人のときは、互いにうちあけ話をし合って、陽気になることはないのに、三人集まるや俄然テンションが上がって活気づく。四人になると、四人目を集中攻撃して憂鬱な気分に落とし入れる。〉訳者解説にもある通り、本書はフェミニズムが掲げている「理想的なフェミニスト」を、当の女性――どころか、フェミニスト自身でさえ――誰も実践できていないという"ズレ"や、女性同士のコミュニティがつくり上げる独特の"困った空気"をユーモア含みながら描いた小説。「二人ならば、こんなに美しいのに…」と言いたげな作者の憂いが伝わってくる。
読了日:4月15日 著者:ポールコンスタン
お医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホントお医者さんは教えてくれない 妊娠・出産の常識ウソ・ホント
読了日:3月30日 著者:エミリーオスター
パリのサタン (シュルレアリスムの本棚)パリのサタン (シュルレアリスムの本棚)感想
訳者が解説、あとがきを使って長々といろいろ書いているのだけど、僕には、訳者がなにを言っているのかよく分からない。この小説は、立派に小説であるし、そして、最高に面白いではないか。深遠さに繋がらないとあるが、<自分の下意識で聞き取った悪魔の声を、自らの声に>しているにすぎないと宣言している小説にあなたはなにを求めているのか?と言いたくなる。小説の文章には、作者自身の自意識でもない自己顕示でもない、勝手に湧いてくるものが含まれている、という話は深遠ではないのか?訳者の読解はひたすら引っかかるが、本編は面白い。
読了日:3月28日 著者:エルネスト・ド・ジャンジャンバック
素晴らしきソリボ素晴らしきソリボ感想
証言の中で「語られる」ことによって、どんどんトンデモナイ人物像を付けられてしまうソリボに思わず笑ってしまう。意味がブレる。綴りがブレる。両方ブレてしまうけど、それでも通じることができる「語る」という行為の楽しさを、どうにか文章に閉じ込めようとした作品。そして、その楽しさが「どうやっても文章に変えてしまうと、完全に残ってくれない」ことを寂しがっている作品。また、作品の語りが『文章のせいで「語り」の面白さが消えた!』『失われた世界!失われた世界!』とかそういう、肩に力の入った"語り"でないことも素晴らしい。
読了日:3月27日 著者:パトリックシャモワゾー
天使の恥部 (文学の冒険シリーズ)天使の恥部 (文学の冒険シリーズ)感想
解説の読み解きと、そんなに大差ない読解をしてしまったので、なにも書くことが…。とても面白い小説だということは、ちゃんと明言しておきたいけれども。
読了日:3月27日 著者:マヌエル・プイグ
蜘蛛女のキス (ラテンアメリカの文学 (16))蜘蛛女のキス (ラテンアメリカの文学 (16))感想
日本だと、言うほど同性愛がタブーじゃないから、その要素に込めた作者の意図しているものがあんまり伝わらないという、大きな欠点が…。向こうのタブーの度合いが半端じゃないって知ってようやく腑に落ちる感じ。とはいえ、良い作品ではあるのだけれど。解説は…うーん…左に傾き過ぎな読み解きをしているように思う。この関係を、単純な、搾取だのとか、そういうふうに読み解くのは、それは為する読解でしょうと。この二人は、複雑な関係の中で、複雑な感情が渦巻いている。でなければ、こんなラストにはならない。
読了日:3月18日 著者:プイグ
わたしのなかのあなた (Hayakawa Novels)わたしのなかのあなた (Hayakawa Novels)感想
うーん。とりあえず「この作者は中二病に罹ってるんじゃないか?」って言いたくなるような、微妙な表現が邪魔。
読了日:3月12日 著者:ジョディピコー
夏への扉[新訳版]夏への扉[新訳版]感想
面白かった。けれど、それ以上の感想が湧くような内容ではない。
読了日:3月4日 著者:ロバート・A・ハインライン
フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)感想
とにかく暗い。暗くて暗くて、しかも、人間不信になりかねないほどの話が次々と展開されていくのだ。フランケンシュタインも、怪物も確かに同情できるところがありながら、共感できるところがありながらも、最終的にどっちも正しいようには思えない、この破滅的な展開。
読了日:3月1日 著者:メアリーシェリー
超生命ヴァイトン (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)超生命ヴァイトン (1964年) (ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
いわゆる、人類の上に更に脅威なる支配者が存在していて――という発想の物語の原点である。これ、2015年、設定の話なのか。なんか、話の後半からあんま2015年っていう設定は関係なくなっちゃうけど。ともかくとして、どんどんスケールのでかくなるに連れ、物語全体のトーンが過激になっていくのが面白い。グレアム、終盤は、敵の攻略法に気づいただけで、顔を紫にして壁にゴンゴン頭ぶつけだしたりして、完全に頭のおかしい人。でも、そういうところも面白い小説。
読了日:2月28日 著者:エリック・フランク・ラッセル
箱男 (1973年)箱男 (1973年)感想
うーん。あれ、こんなに微妙な内容だったっけ…?
読了日:2月22日 著者:安部公房
デブを捨てにデブを捨てに感想
全四話。どこを切っても、平山夢明しかいない!話の発想自体は、どう考えてもワイドショー的な下世話なんかも透けて見えるのに、場面場面はシュールレアリスティックで、どこか現実の世界と切り離された、「平山夢明ワールド」が展開されている、この感じ。しかし、そのくせ、不思議と錦糸町あたりの光景が、綺麗に頭の中に浮かんでしまう、この感じ。言うなら、臭くて汚いベニヤ板が織りなすシュルレアリスム。――ともかくとして、チョチョミって、それ、平山先生が、某作家の娘につけようとして断られた名前じゃないっすか…。
読了日:2月22日 著者:平山夢明
イスラーム国の衝撃 (文春新書)イスラーム国の衝撃 (文春新書)
読了日:2月11日 著者:池内恵
ハツカネズミと人間 (新潮文庫)ハツカネズミと人間 (新潮文庫)感想
恥ずかしながら、今さら読んだ。いろんな話の元ネタになるのも、納得がいくほど良く出来ている。レニーは「純粋」な存在であるし、可哀想な存在だ。でも、同時にやっぱりどことなく客観的に見て「怖い」と思ってしまう瞬間をいくつも持っている。この人物像が本当に考えさせられるというか。他の登場人物も、絶妙に、単純な「良い人/悪い人」で分類できないあたりが上手いし、だからこそ、感情移入が強くならざるを得ない。
読了日:2月10日 著者:ジョンスタインベック
東京観光東京観光感想
あとがきで作者が言っていた「自由にのびのびと書いた」短編のほうが、むしろ、文章に意匠凝らさなくちゃ、という窮屈さを感じてしまう。この文章的な意匠、むしろ小説全体としては邪魔じゃないのかなぁ…。ある程度、方向性や制限があって書いた話のほうが、むしろ、面白さがあるな、と。特に「ポジョ~」は一番好きかもしれない。例の有名パロディ本「鼻行類」から、話を引っ張ってきているところはなかなか愉快。
読了日:2月10日 著者:中島京子
どらっぐ おん どらぐーん ウタヒメファイブ(3)完 (ビッグガンガンコミックス)どらっぐ おん どらぐーん ウタヒメファイブ(3)完 (ビッグガンガンコミックス)感想
2巻までの面白さはいずこへ
読了日:2月10日 著者:映島巡
ダンシング・ヴァニティダンシング・ヴァニティ感想
夢を見ているときの、物語がちっとも繋がってないのに、見ている本人にとっては繋がっている気がしてしまう、あの感じが起きていながら味わえる小説がこれなんだと思う。参考文献にあれが上がっているところを考えても、間違ってはいないかと。そして、なんとも寂しい気持ちになってしまうラストが素晴らしい。
読了日:2月2日 著者:筒井康隆
イスラーム世界の論じ方イスラーム世界の論じ方感想
幾つもの自分の思い込みが、どんどん氷解していく素晴らしい本だった。
読了日:1月31日 著者:池内恵
ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
読了日:1月22日 著者:仁木稔
ミステリウムミステリウム感想
実は言葉についての物語がこれ。ただし、他の作家と違ってエリック・マコーマックは「言葉に真実が宿る」なんて、作家にとって都合の良い幻想は言わない。言葉に真実は宿らない。むしろ、真実から遠ざけ、不自由にしてしまう。だからこそ、この小説は決して解決しない。言葉によって「こいつが悪人だ」と決めつける行為は、どう考えても褒められた心理ではない。架空の物語であってたとしても。そんな当たり前だが、目を逸らしがちな事実を極めて冷淡に、沈着に、マコーマックは見つめる。病的なんだけれども、妙に整然としている印象は相変わらず。
読了日:1月22日 著者:エリック・マコーマック
寝相寝相感想
どんどん、最初の話から発展していくに連れて、最初とまったく違う話に変わってしまうあたりに、僕はマルセル・エーメとの共通点を見出した。ただし、こちらのほうが、マルセル・エーメよりも、より強烈に、「話と主題の横滑り」が起きているのが面白い。また、横滑りし続けた結果、最後にやってくるオチがなんとも絶妙なものがやってくるところが、良い味わいを出している。特に「わたしの小春日和」のオチは、かなり好き。これ素晴らしい。「楽器」もとてもいい。要するに全部とてもいい。
読了日:1月16日 著者:滝口悠生
ほとんど記憶のない女ほとんど記憶のない女感想
少ない行数に、いろんな背景を暗示させるのが非常に上手い。ここの上手さのおかげで、他の短編にも独特の面白さが醸しだされている。表面的な文章だけでは読み取れない背景を、常に読者は無意識的に認識しながら読み続けることになるのだ。ただし、正直、小説で描かれている内容や主張自体は「サブカルっぽい」と言いたくなるところもあり、そこが苦手な人は手を付けないほうがいい気もする。
読了日:1月14日 著者:リディアデイヴィス
二次元の世界―平面の国の不思議な物語 (ブルーバックス 315)二次元の世界―平面の国の不思議な物語 (ブルーバックス 315)感想
二次元や一次元の世界をどうやって成立させるんだろうと思ったら、「なるほど、ちょっと無理矢理だけどその手を使うのね」という手で、二次元の世界を作り上げていく科学小説。ただ、この小説の本題は、なによりも二次元世界から見た三次元世界というそこに目的がある。ただ、この小説を読んだからといって、次元をキチンと理解できるかというと、微妙な気もするのだが…。ともかくとして、登場人物が正方形や二等辺三角形、円というあたりのシュールさは、普通に小説として読んでもちょっと面白い。様々な場面をイメージしながら読むのがオススメ。
読了日:1月14日 著者:E.A.アボット
隠し部屋を査察して (海外文学セレクション)隠し部屋を査察して (海外文学セレクション)感想
素晴らしかった。この作家の奇妙な世界観がとても素晴らしい。最初の表題作から終わりの話まで、全ての話が妙に病的。病的なのに、読んで覚える印象は「とても冷静に書かれている小説」になる、病的さと論理性の不思議な塩梅。人が消滅しているというのに、笑ってしまう人々など、こんなにあり得ない設定なのに、なぜだか作品自体は、極めて整然としており、読み進めているうちに「そんな瞬間、自分にもあるな」と思えてしまうのが、堪らない。特に「窓辺のエックハート」は個人的には、大傑作じゃないのかと。
読了日:1月14日 著者:エリックマコーマック
思い出トランプ (新潮文庫)思い出トランプ (新潮文庫)感想
うん。これは直木賞だよね。
読了日:1月10日 著者:向田邦子
ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 (PHP新書)ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 (PHP新書)
読了日:1月10日 著者:松尾匡
リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)感想
簡単な解説書として、これを勧めようかと思って読んだ。確かに分かりやすいし、表現が平易なので、きっと理解してくれるはず…と思ったが、よくよく考えてみると、これって周辺の情報を予め理解している僕だから、分かりやすいんであって、普通の人からすると細かい説明がないから、この上ないほど訳分からないインタビューかも…と。
読了日:1月10日 著者:リサランドール,若田光一
経済学者ラ・フォンテーヌ経済学者ラ・フォンテーヌ感想
〈飢えないようにすることが一番の心遣い/それが分らぬものは馬鹿だ〉この一節にも分かるように、ラ・フォンテーヌは経済学的に極めて正しい見識を持った人物だった!――ということを、寓話の引用とともに、解説していったボワソナードの一八七二年の公演を、そのまま書籍化したもの、なのだとか。確かに、事実、これを読むかぎりラ・フォンテーヌの見識はかなり正しかったように思う。少なくとも、現代でも未だに存在している一部の困った人たちが抱く、経済へのイメージよりはずっとずっとまともなのである。
読了日:1月10日 著者:ギュスターヴ・エミール・ボワソナード
TTT: トラのトリオのトラウマトロジー (セルバンテス賞コレクション)TTT: トラのトリオのトラウマトロジー (セルバンテス賞コレクション)感想
この手の小説を読み慣れすぎてしまったなぁ…。
読了日:1月10日 著者:ギジェルモ・カブレラインファンテ

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