2015-04-20 掌編:砂遊び 小説 雑草の味を噛んでみるのは、一つの実験だった時期もあったと思う。一つの草は酸っぱくて、一つは苦いのだ。そういう時期があったと思う。今にしてみると、どれも無味な上に、なんだか食べられたものではないのだけれども。あの日、僕らはなにかを発見したかのように、それをやりたかったのだ。そうすることが、それとなく、憧れへの物真似だった気がして、しかし、今になってみるとなんでアレを物真似と思えたのかは全く分からない。ただ、琴線に触れるものがあったのだ。