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東杜来のブログです。月に1,2回の更新。

掌編:街

 昼間は何も起こらない。確信を持って言えるが、ここは、昼間、なにも起こらない街だ。人が大勢居て、行き交っている一番の時間が昼間だが、同時に、昼間は滅多にはなにも起こらない。各丁目の住人たちは寝静まり、ビルの隷属は目を痛めている。被服の者達は、ただ、流れるように歩いて行ってはどこかへと消えていく。なにも起こらない。全てが、だらだらと流れていき、全てが、どこかを目指している。だが、常に大きくなるのはここなのだ。