個人的に名曲!「Only a Northern Song」
たまーに、僕は自分の好きなアーティストについて記事を書いていたりするのだが。
実のところ、僕はアーティストとして好きなことよりも、曲単位で好き嫌いが決まっていることが多かったりする。アーティストとして好きというのは、本当にごく一部だ。
つーことで、曲単位で紹介したいなぁって思って、そういう記事を書くのである。
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第二弾。
今回、紹介するのはこの曲。
The Beatles - Only a Northern Song - YouTube
ビートルズには名曲が多いうえに、どの曲も、まあ基本的に有名なのだけど、僕が特に好きなのはこの曲だ。なぜ、この曲が好きなのか。それはいろいろな理由が重なっている。まず、なによりも曲として、面白いというココに尽きるだろう。まあ、基本的にでたらめな曲なのだが、そのデタラメさ加減がとてもシュールでいい。なんとも、分かりづらいメロディーラインと、ちょいサイケデリックな騒音気味の楽器たち。聞いていて、ボケーッとしてしまいたくなるが、そこがいい。
そして、次に素晴らしいのは歌詞である。この曲が、 ビートルズの楽曲の権利を保有していた音楽出版社を揶揄して(というか、ほぼ、直接的に名指しで批判しているのだが)作られた楽曲というのも、なかなかロックな話だが、その話がなくても――いや、実はその話がない方が、この曲の歌詞は素晴らしいのである。
THE BEATLES LYRICS - Only A Northern Song
簡単に和訳すると、
君がこの曲を聴いたら
コードが間違ってると思うかもね
でも、違うよ
そういうふうに書いたんだよ
君が夜に聴いていたら
あまり上手じゃないバンドだなって思うかもねでも、違うよ
そういうふうに演奏してるんだよ
僕がどんなコードを弾こうと
どんな歌詞をうたおうと
今が何時だろうと
たいした問題じゃない
これ、ただの北の町の歌だから
僕がどんな服を着ようと
どんな暮らししてようが
髪が茶色だろうが
たいした問題じゃない
これ、ただの北の町の歌だから
この曲のハーモニーが
なんかキーよりも微妙に低いなと思うなら
君は正しいねそこには誰もいないんだ
わかったかい そこには誰もいないんだ
こんな感じになるだろうか。確かに、揶揄という意味として読んでも面白い。だが、それ以上に「芸術作品の一つの真理」を言い当てていると思うのだ。分かりやすく言うなら、国語のテストにある「作者の気持ちを答えなさい」的な問題で「全然作者が思っていないことを答えとしてしまう」ときがあるが、まさにあのような、”読み手の読み解き”に対する、一種のアンチテーゼにもなっているのだ。
そう。芸術に、いつも作者の気持ちが入っているわけではない。
そして、芸術に作者の気持ちのようなものを、超能力のように込めることは無理なのだ。気持ちは込めるものではなく、勝手に周りが察するものなのだ。そして、場合によって、それは、勝手な決め付けであったりもする。この曲を聞くたび、そこを僕は噛みしめている気がする。
だからこそ、この曲は個人的に名曲なのだ。
じゃ!