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東杜来のブログです。月に1,2回の更新。

1月に読んだ本

2015年1月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3355ページ
ナイス数:12ナイス

 


イスラーム世界の論じ方イスラーム世界の論じ方感想
幾つもの自分の思い込みが、どんどん氷解していく素晴らしい本だった。
読了日:1月31日 著者:池内恵
ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
読了日:1月22日 著者:仁木稔
ミステリウムミステリウム感想
実は言葉についての物語がこれ。ただし、他の作家と違ってエリック・マコーマックは「言葉に真実が宿る」なんて、作家にとって都合の良い幻想は言わない。言葉に真実は宿らない。むしろ、真実から遠ざけ、不自由にしてしまう。だからこそ、この小説は決して解決しない。言葉によって「こいつが悪人だ」と決めつける行為は、どう考えても褒められた心理ではない。架空の物語であってたとしても。そんな当たり前だが、目を逸らしがちな事実を極めて冷淡に、沈着に、マコーマックは見つめる。病的なんだけれども、妙に整然としている印象は相変わらず。
読了日:1月22日 著者:エリック・マコーマック
寝相寝相感想
どんどん、最初の話から発展していくに連れて、最初とまったく違う話に変わってしまうあたりに、僕はマルセル・エーメとの共通点を見出した。ただし、こちらのほうが、マルセル・エーメよりも、より強烈に、「話と主題の横滑り」が起きているのが面白い。また、横滑りし続けた結果、最後にやってくるオチがなんとも絶妙なものがやってくるところが、良い味わいを出している。特に「わたしの小春日和」のオチは、かなり好き。これ素晴らしい。「楽器」もとてもいい。要するに全部とてもいい。
読了日:1月16日 著者:滝口悠生
ほとんど記憶のない女ほとんど記憶のない女感想
少ない行数に、いろんな背景を暗示させるのが非常に上手い。ここの上手さのおかげで、他の短編にも独特の面白さが醸しだされている。表面的な文章だけでは読み取れない背景を、常に読者は無意識的に認識しながら読み続けることになるのだ。ただし、正直、小説で描かれている内容や主張自体は「サブカルっぽい」と言いたくなるところもあり、そこが苦手な人は手を付けないほうがいい気もする。
読了日:1月14日 著者:リディアデイヴィス
二次元の世界―平面の国の不思議な物語 (ブルーバックス 315)二次元の世界―平面の国の不思議な物語 (ブルーバックス 315)感想
二次元や一次元の世界をどうやって成立させるんだろうと思ったら、「なるほど、ちょっと無理矢理だけどその手を使うのね」という手で、二次元の世界を作り上げていく科学小説。ただ、この小説の本題は、なによりも二次元世界から見た三次元世界というそこに目的がある。ただ、この小説を読んだからといって、次元をキチンと理解できるかというと、微妙な気もするのだが…。ともかくとして、登場人物が正方形や二等辺三角形、円というあたりのシュールさは、普通に小説として読んでもちょっと面白い。様々な場面をイメージしながら読むのがオススメ。
読了日:1月14日 著者:E.A.アボット
隠し部屋を査察して (海外文学セレクション)隠し部屋を査察して (海外文学セレクション)感想
素晴らしかった。この作家の奇妙な世界観がとても素晴らしい。最初の表題作から終わりの話まで、全ての話が妙に病的。病的なのに、読んで覚える印象は「とても冷静に書かれている小説」になる、病的さと論理性の不思議な塩梅。人が消滅しているというのに、笑ってしまう人々など、こんなにあり得ない設定なのに、なぜだか作品自体は、極めて整然としており、読み進めているうちに「そんな瞬間、自分にもあるな」と思えてしまうのが、堪らない。特に「窓辺のエックハート」は個人的には、大傑作じゃないのかと。
読了日:1月14日 著者:エリックマコーマック
思い出トランプ (新潮文庫)思い出トランプ (新潮文庫)感想
うん。これは直木賞だよね。
読了日:1月10日 著者:向田邦子
ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 (PHP新書)ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 (PHP新書)
読了日:1月10日 著者:松尾匡
リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)感想
簡単な解説書として、これを勧めようかと思って読んだ。確かに分かりやすいし、表現が平易なので、きっと理解してくれるはず…と思ったが、よくよく考えてみると、これって周辺の情報を予め理解している僕だから、分かりやすいんであって、普通の人からすると細かい説明がないから、この上ないほど訳分からないインタビューかも…と。
読了日:1月10日 著者:リサランドール,若田光一
経済学者 ラ・フォンテーヌ経済学者 ラ・フォンテーヌ感想
〈飢えないようにすることが一番の心遣い/それが分らぬものは馬鹿だ〉この一節にも分かるように、ラ・フォンテーヌは経済学的に極めて正しい見識を持った人物だった!――ということを、寓話の引用とともに、解説していったボワソナードの一八七二年の公演を、そのまま書籍化したもの、なのだとか。確かに、事実、これを読むかぎりラ・フォンテーヌの見識はかなり正しかったように思う。少なくとも、現代でも未だに存在している一部の困った人たちが抱く、経済へのイメージよりはずっとずっとまともなのである。
読了日:1月10日 著者:ギュスターヴ・エミール・ボワソナード
TTT: トラのトリオのトラウマトロジー (セルバンテス賞コレクション)TTT: トラのトリオのトラウマトロジー (セルバンテス賞コレクション)感想
この手の小説を読み慣れすぎてしまったなぁ…。
読了日:1月10日 著者:ギジェルモ・カブレラインファンテ

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