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東杜来のブログです。月に1,2回の更新。

パクリ騒動で分かる、音楽に蔓延る反知性主義

news.livedoor.com

 

こんな記事が、ネット上で話題になっている。まあ、元事変のメンバーということもあって、まさにスノッブな、「私は音楽通」顔をしていたい人たちから反応もあって、なかなかに燃えているようなのだが……。

 前々から思っていたが、この手の音楽の「パクリ騒動」って、恐ろしいほどの「素人裁判」で断罪されることが異常に多くないだろうか?

 

 例えば、漫画のパクリ騒動、小説のパクリ騒動だともっと細かく、色んな人が画像を照らし合わせたりして検証をして、パクリだなんだとやる。(まあ、それはそれでおかしいときもあるのだが……)

 つまり、多少は知性主義に則って、分析をした上で「これパクリじゃないですか!」という話になっていくわけなのだが、これがなぜか音楽ではまったくないのである。音楽における分析とは、簡単にして言うと「譜面に起こして、一つ一つを比較しているかどうか」ということだ。

 なぜか音楽だけは世界的にも「聞いた"感じ"が似ているだけ」で断罪されてしまうのである。人間の、ましてや譜面も読めない、簡単なメロディさえも聞いても譜面に起こせない、ド素人たちの、"感じ"なんて錯覚だらけに決まっているのに、なぜこれに誰も疑問を持たないのか。

 

 ちなみに、件の記事で挙げられている曲も、少なくとも、僕のような音楽教育をそれなりに受けてきたものからすると「"似ているが、それなりに違うフレーズ"が使われている」ことはすぐに分かる。例えばNISSANのCMの曲は冒頭のフレーズからして、リズムが全く違う。というか、そもそも拍子(か、あるいは譜割り)が違う。*1

 しかし、記事中では、僕らからすると「それなりに違うもの」を「キーを変えただけ」と言ってしまっているのだ。これは恐ろしい現象だ。

 確かに、この曲は、記事に挙げているとおりH ZETTRIOの曲を元ネタにしているのだろう。それは疑いようがない。しかし、あくまで「似ているように聞こえるまったく違う曲」に改変しているのだ。

  それがパクリになるのかどうか、という問題にしたいのならば構わない。

 元曲の人としては、そういう意味でツイートをしているのだろうと思われる。せっかく、自分たちで作ったフレーズが、微妙に格好悪く改変されているので「うーん」というところなのだろう。

 まあ、確かにCMの曲のほうが、なんというかフレーズとして安直なので、それは分かる。*2

 

 それならば分かるのだ。が、この記事では、それらの事実は無視され、素人による「オレ的に、そっくりパクったようにしか聞こえないから、きっと丸々盗作したんだ。だから干せ!」という裁判になってしまっている。

 音楽では分析(知性)よりも、「素人のオレが思う感性(反知性)」が優先されることになっているのだ。まさに反知性主義である。

 音楽は気づいてみるとここまで反知性主義が蔓延っていたのだ。

 

 

 ファレル・ウィリアムスが裁判で負けるはずだわな。

 

*3

*1:僕は少し、この系統のフレーズを、複合拍子なのかシンコーペーションなのか聞き取って譜面にするのが苦手なのだ……。だが、確実に拍子か譜割りが違うことだけは、ハッキリ聞き取れる

*2:というか、このCM曲と元曲が、まったく同じに聞こえてしまう人たちって、それでよくH ZETTRIOのファンを名乗れるなぁ、と思ってしまうが……?

*3:ちなみに肝心のH ZETTRIOの曲についてだが……んー。僕的には、そこまで目を見張るようなものじゃなかった。下手ではないし、まあ売れるのも分かる感じの出来だけど、同時にジャズとしては平凡、といったところ

今月の一枚・2

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シンデレラ  [pixiv] https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=63455745

異様に赤みがかっているけど、そういう絵を描きたくなっちゃったから仕方ないね。

絵自体は、シノアリスの「シンデレラ」なのだけど、全然設定とかちゃんと見てないから装飾とかテキトウ。顔も隠れちゃってるけど……そういう絵が描きたかったんだよなー。

 

今月の一枚

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オリジナル | ハルトライ [pixiv] https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=63211107

 

 相変わらずのハイペースで描いているんだが、今回はちょっと元ネタなしのオリジナルを描いてみた。最近は「いかに描いた絵をトリミングして、魅力的な構図にするか」にちょっとハマっている。

 意外と微妙に見える絵も、少しトリミングしたり、位置を変えるだけで目を見張る出来になるのだ。

 もともと、映画好きでかっこいい構図とかの知識もあるので、僕はトリミング作業が結構好き。

あと数日で、画歴が二年になる。

もうそろそろで、絵の勉強を始めて二年になるところだ。

htl.hateblo.jp

 

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 自分が絵を書き始めたのは6月9日だったと思う。少なくとも、スケッチブックの最古の日付はそうなっている。いや、たった二年でここまで来たか……となかなか深い感慨にふけるものがある。

 今回は、「これから絵を描き始めたいな」と思っている人たちのために、自分の絵がいかに下手だったかをまとめてみようと思う。

 

では、まず、今の絵から!

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……まあ、このブログを読んでいる人なら御存知の通り、軽く神の領域に入り始めたところである。わずか二年でこれ。「上手い!」というところは、もう、誰も否定しないだろう。

 さて、みんなが知りたいのはこの後である。

これだけ上手い絵を描いている人が、かつてはどれほどに、しょーもないほどに下手くそだったのか。下手くそな絵を描いていたのか。

 ここを知ることでみんな「物事は才能ではなく、努力でどうにかするものなのだ」ということを教えてほしいと思っているはずだ。「才能こそが全て」とか言ってる、痛い痛い中二病患者を除いては。

 

・三年前

 では、まず、絵の勉強を始めるよりも更に一年前の絵から、つまり三年前のド素人時代の絵。

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 いや、十分上手いじゃないか!と思ったかもしれない。

 が、これは偶然上手くいっただけである。実は絵が下手な人でも、描きまくっていると偶然上手く描けることは稀にあるはずなのだ。ついでに言うとこれは「模写」である。

 それに、上手いとはいっても、実は僕の目からすると色々ツッコミどころが……。

 証拠に他の絵は惨憺たるものだ。

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ゴリラと山姥にしか見えないが、芦名星アヴリルラヴィーンのつもりである。

 ついでに言うとこれも模写である。

名誉毀損で訴えられかねない出来だ。

 で、この酷さに絵は無理だと諦めたのが、三年前。

 

一年後、なぜか僕は「ダメでもともとだな」と思いながら絵を描き始めることになる。

 

・二年前

当時の絵はこちら。

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下手。

ひょっとすると三年前よりも下手かもしれない。それくらいに色々と酷い

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ちなみに、妙に同じ女の子を描いているが、これはデビルチルドレンのエレジーと、ククルとナギのヤーヤ・トーカーズである。ちなみに、これも模写である

あまりに酷すぎるので、僕はどうしたかというと。

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定番の教科書、ルーミス!

基礎からダメなのだと自己分析し、基礎の教科書から買ってひたすら描く日々が始まったのである。

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ちなみに模写ばっかりなので、オリジナル絵はどうなってるの?と思われるかもしれない。

はい。どうぞ。

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あれだ。「あ、味があるね……」と友達が引き気味で褒めるやつである。

察してほしい。当時の僕は、普通に描いたら、こんな感じになってしまうのだから……。

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ハハハハハ。アハハハハ。

それにちょっと難しい構図も描けなかった。

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ハッハッハッハ。

 

で、基礎を積んだ僕はゆっくり、だんだん他人の絵を模写し始める。本格的な模写が始まったのは、6月16日のこと。

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 16日と言いつつ、17日の模写を挙げているのは、16日は18禁漫画の模写をしていたからである。これもそうなのだが、まあ、こっちはぎりぎりセーフだろうという判断で挙げた。

 初期の原動力としてエロは大事である。

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模写の中でも、下手だったやつを重点的に上げてみた。どうだろうか。

上手い人でも最初はこんなもんである。

 

で、一ヶ月後、

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マシになってきた。(とはいえ、下手だがな!

それに模写じゃない、オリジナルの方は……。

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相変わらずに!酷い!

 

 

まあ、ここまでまとめれば分かると思うけれども、まあ下手なのだ。誰でも最初は酷いのである。相当に酷いのだ。それをいろいろと努力して、学習して、描いて描いて描いて描いて、上手くしていくのである。

 そういうものなのだ。

最後に、

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この子。やたら僕は描きまくっているので、それを比較していこう。

 

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↑(画歴、四ヶ月)

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↑(同時期、模写)

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↑(画歴、9ヶ月)

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↑(画歴、二年)

 

5月に読んだ本

5月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2475
ナイス数:5

 

10冊……!

今月も読んだこと、読んだこと。

あれだけ絵を描いていたくせに、これだけ読んでいる(しかも、小説とか新書が大半)のがなんというか。自分、どうかしている時期に入ってきたなと。

LIFE<ライフ> 人間が知らない生き方LIFE<ライフ> 人間が知らない生き方
読了日:05月30日 著者:麻生 羽呂,篠原 かをり
砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫)砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫)感想
砂男が、面白すぎる。訳者の解説にある通り、間違いなくサイコホラーの原型と言っていい内容なのだけど、それにしても、この奥深さ!上手く言葉で説明できないのが惜しい。他の短編もなかなかの出来栄えで、全体的に読んでいて満足だった。
読了日:05月29日 著者:エルンスト・テオドール・アマデウス ホフマン
怪談遺産怪談遺産感想
平山夢明という作家は、いくつかの顔を持っているのだけれど、これはその全てが取り揃えられている感じがある。つまり、至って普通の呪いやらの怪談の平山夢明、実話的な怪談の平山夢明、ハムスターおじさん的な平山夢明、残酷残虐人体解体ショーの平山夢明シュルレアリスム平山夢明等々……。この本は、その全てが封入されており、平山夢明の魅力を知る、初読の本としてまさにオススメかなと。
読了日:05月26日 著者:平山 夢明
シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)感想
最初は過剰な修飾を文章に施している「現実の神話化」にどこかついて行けないものを覚えていたものの、後ろの短編になるに連れて「いや、これ、相当すごい才能だったんじゃないか?」と。ヴォイチェフ・イエジー・ハス「砂時計」を観た後だったので、余計にそう思ったのかもしれないが。ちなみに、全体的に訳者の自己顕示欲がうざいのは、明らかな欠点。「女性性を私が訳して初めて言葉にしたんだ」そうか。それ、 注 釈 に書くことじゃないけどな!
読了日:05月23日 著者:ブルーノ シュルツ
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)感想
なかなか読みやすい文体と、構成で、想像以上に面白い内容だった。とはいえ、今の時代的には「どことなく物足りない感じ」を覚えるのも事実なのだが……。
読了日:05月22日 著者:沢木 耕太郎
『オレたち将棋ん族』〈エピソード1〉2005-2009『オレたち将棋ん族』〈エピソード1〉2005-2009感想
んー。
読了日:05月20日 著者:バトルロイヤル風間
将棋名人血風録    奇人・変人・超人 (oneテーマ21)将棋名人血風録 奇人・変人・超人 (oneテーマ21)感想
もはや、世の中にも認知されている、最年長棋士加藤一二三九段からの視点で「名人戦」を語らせるという、この本の企画の発想自体が功を奏している。名人戦のアレヤコレヤを拾ってつぶさに語っていくだけだが、その実、現代将棋の歴史の8、7割がこれで把握できるという奇跡の一冊と言えるだろう。また、歴史を文献ではなく、実際に見てきた側だからこその、説得力とそれぞれの人物に対する考察がなんとも腑に落ちること…。
読了日:05月17日 著者:加藤 一二三
大局観  自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)
読了日:05月03日 著者:羽生 善治
ランボー詩集 (新潮文庫)ランボー詩集 (新潮文庫)感想
うーん。
読了日:05月03日 著者:ランボー
狂気の山脈 (クラッシックCOMIC)狂気の山脈 (クラッシックCOMIC)感想
「狂気の山脈にて」に関しては…‥。
読了日:05月03日 著者:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト,宮崎 陽介

読書メーター

今月の一枚・6

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描き終えたとき、一歩退いて作品を見て「上手ーーーーい!」と思った。

 

女性 | ハルトライ [pixiv] https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=63159765

 

 

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壁紙化したら結構、使えるクオリティだったのでどうぞ。